平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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この程度の内容だとすぐに反論されるぞ

東京拘置所のそばで死刑について考える会(そばの会)の解説 世界の中の日本の死刑(2月に配ったビラの裏面)より一部引用。

2007年鳩山邦夫法相時代に死刑執行ラッシュが始まり、死刑執行数は増えてきた。2010年に民主党政権になり死刑存廃に関する議論が活性化されると感じたが、結局死刑執行は行われ、実質的には何も変わっていない。今はまた自民党政権に逆戻りとなり、死刑執行数は増えていくのではないかと不安だ。死刑確定者の数も2004年から増加し続けている。

犯罪白書を見れば明らかだが、凶悪犯罪の数は年々減少している。決して実際の治安が悪くなっているわけではない。にもかかわらず死刑判決の数は増えているのだ。死刑だけではない、無期懲役囚の数は10年前の倍近い1900人を超えている。日本の厳罰化は確実に進んでいく一方だ。

原因は何なのだろうか。メディアの過剰な事件報道のあり方。有罪率99%で「推定無罪」が原則となっていない今の裁判のあり方。格差社会が顕著になって人々の不満や閉塞感の充満した社会の抱える問題。こういった社会のあり方が根本的に解決されないまま、厳罰化することで多くの問題がなくなるような幻想を抱かされているのかもしれない。

この書き方だと、凶悪犯罪の数が年々減少しているのは、日本の厳罰化及び死刑執行数の増加による影響としか読めないのだが。そもそも、凶悪犯罪の数が減少している原因をまず見つけないと、議論にすらならないぞ。「有罪率99%で「推定無罪」が原則となっていない今の裁判のあり方」というのも、実際の冤罪率や無罪発生率などを出さないと、単なる印象論でしかない。まず死刑廃止という結論ありきで物事を語るのではなく、一つずつ存置論の主張を潰す方策取らないとだめだと思うけれどね。死刑廃止論者の一番悪いところだと思うし、廃止論が進まない原因の一つだと思う。