- 作者: ジョングリシャム,John Grisham,白石朗
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1993/07
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 2回
- この商品を含むブログ (5件) を見る
- 作者: ジョングリシャム,John Grisham,白石朗
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1993/07
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 1回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
カール・リーの弁護を務めるジェイクの周辺では、庭先に燃える十字架を立てられるなどのいやがらせや脅迫が相次ぐ。才気煥発な女子学生エレンと共に準備を進めるが、確信犯ともいえる犯罪で無罪を勝ち取るのは不可能に近い。公判が始まり、黒人と白人の対立が頂点に達するなか、ついに評決のときを迎えたが――。アメリカの裁判の雰囲気をリアルに伝える、第一級の法廷サスペンス。(下巻粗筋紹介より引用)
ベストセラー作家、グリシャムの処女長編。
そういえば昔流行ったよなあ、などと思い出しながら読んでみた作品。黒人と白人の対立や人種差別というのは、オバマが大統領になった今でも、根っこのところでは変わらないのだろうなあと思いつつ、陪審員制度ならではの評決まで何とか読み終えた。実際の裁判が始まるのは下巻途中という展開が、読んでいてどうも腹立たしい。特に検事と弁護士の思惑が入り乱れるところなど、わかっていながらも馬鹿馬鹿しさしか感じなかった。これがアメリカの法廷サスペンスなんだ、と言われてしまえばそれまでなんだけど、せめてもう少しスピーディーな展開にしてほしかった。テーマの重さはわかるけれど、社会が抱える問題点をこれとばかりに突きつけられても、娯楽作品として読んで何も疑わず終わっているのかと思うと、アメリカ社会って何なのだろうと思ってしまう(まあ、日本も同じケースがあるのだろうが、きっと)。
もう長いし、腹立つし、という感じでようやく読み終わった。H・デンカー『復讐法廷』なんかは感動しながら読むことができたのに、この違いはいったい何なのか。自分の感性が変わったのかな……。