平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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スコット・トゥロー『囮弁護士』上下(文春文庫)

 ある日、連邦検事の訪問をうけた弁護士ロビー・フェヴァーは、脱税と判事への贈賄を指摘され、罪の軽減を条件に取引を持ちかけられる。家族を抱えるロビーに選択の余地はない。かくして法曹界の大規模贈収賄事件を摘発するべく、連邦検察局とFBIの囮作戦が始まった!「推定無罪」を凌ぐと絶賛されたリーガル・スリラーの傑作。(上巻粗筋紹介より引用)
 でっちあげの事件を法廷に持ち込み、贈収賄の現場を最新鋭の機器で盗聴・盗撮するという捜査が、大胆かつ用意周到に進められていく。囮となったロビー、弁護士補助職員として事務所に送り込まれたFBI女性捜査官イーヴォンの心の葛藤を描きつつ、緊迫した人間ドラマは予断を許さぬ結末へと一気に突き進む――。(下巻粗筋紹介より引用)
 1999年、発表。作者の第五長編。「タイム」誌が選ぶ1999年度ベスト・ブックス第1位。2000年9月、邦訳単行本刊行。2004年11月、文庫化。

 うーん、凄く読みにくい。特に上巻。ロビーの弁護士であるジョージ・メイソンが語り手となっているのだが、説明が回りくどい。テンポが悪い。話が全然頭に入っていかない。
 下巻になってようやく楽しめるようにはなってきたが、囮捜査を主体としたリーガル・サスペンスというよりも、ロビーとイーヴォンの関係を巡る人間ドラマという要素が強い。スコット・トゥローって、もう少し娯楽部分があったと思っていたんだけどなあ。
 ということで、退屈でした。悪い読者だな、自分。