平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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コリン・ホルト・ソーヤー『メリー殺しマス』(創元推理文庫)

メリー殺しマス (創元推理文庫)

メリー殺しマス (創元推理文庫)

高級老人ホーム<海の上のカムデン>に12月がやってきた。毎年、入居者たちは用意されたクリスマスの催しをそれなりに楽しんで過ごす。だが今年の聖なる季節は、ちびっこ合唱団の絶叫で幕が開いた。はた迷惑にも、ロビーの大ツリーの下に、プレゼントならぬ入居者の死体が置かれていたのだ。カムデンで知らぬ者はない名物コンビ、アンジェラとキャレドニアは、はなからこの一件を殺人だと決めつける。ほかの事件で大忙しなマーティネス警部補からの協力依頼を都合よく拡大解釈しふたりは、独自の捜査を開始するが……。人気シリーズ、第6弾。(粗筋紹介より引用)

<海の上のカムデン>シリーズ第6作目。1995年作品、2009年翻訳。



頂き物です、有り難うございます。

シリーズ6作目をいきなり読んでも大丈夫かと思ったが、とりあえずはそれほど戸惑わずに読み終わることができたのでホッとした。とはいえ、これはやっぱり第1作から読むべきだったな。アンジェラたちとマーティネス警部補のやり取りなんかは今までの経緯があるからこそ笑えるものだったろうし、それ以前に登場人物の細かい関係についてもちょっとピンと来ない部分があった。

訳者あとがきにもかいているけれど、このシリーズはやっぱり登場人物の日常を愉しむ作品なんだろう。殺人事件はあくまで日常に舞い込んだアクシデントというか、インパクトというか。この作品でもそうだが、基本的にはハッピーエンドで終わるらしいので、殺人事件が混じるとはいえ、ほのぼのとしたやり取りを愉しみたい人にはお勧めかもしれない。