- 作者: 手塚治虫
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/04/08
- メディア: 単行本
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手塚治虫がディズニーから多大なる影響を受けていたことは、様々な箇所で本人が語っているほど有名な話。ということで、手塚治虫が有名な2作品をどういう風に料理しているのか一度読んでみたかったのだが、さすがに入手不可能だろうと思っていたところで復刻されたからとても嬉しかったことを覚えている。それでいて読むのが今頃というのは、「買えれば満足」な所がある私らしい情けなさかもしれない。
とはいえ、『ピノキオ』は何かの絵本でしか読んだ記憶がなく、プロローグとエピローグ以外はほとんど覚えていない。『バンビ』にいたっては一度も見たことがない。こんな状態では比較も何もないものだ。まあ、中身も童話の域を超えているわけではないし、中年にさしかかったこの年で読むのは少々キツイ。
面白かったのは『手塚治虫とウォルト・ディズニー』の方だろう。野口文雄が手塚マンガにおけるディズニーの影響や『バンビ』『ピノキオ』などについて書いた「大いなる邂逅」、手塚がディズニー物語について語る絵物語「ウォルト・ディズニー物語」、さらに手塚による絵物語「バンビ」「ピノキオ」(いずれも『漫画少年』掲載)が収録されている。手塚ファンなら、むしろこちらの方が貴重であろう。手塚研究家である野口による文章は、雑誌掲載版『ジャングル大帝』とディズニー映画の影響といった内容も含め、興味深い話のオンパレードである。
ということで、ようやく読みました、はい。『冒険狂時代』を買うべきかどうか、悩んでいる。