平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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影木栄貴『エイキエイキのぶっちゃけ隊!!』(新書館)

エイキエイキのぶっちゃけ隊!! (ウィングス・コミックス)

エイキエイキのぶっちゃけ隊!! (ウィングス・コミックス)

おじいさんは竹下登元総理大臣。弟は、DAIGO。そして本人は――マンガ家。そんな影木栄貴が、自分のこと、家族のこと、すべてぶっちゃけます!!(裏表紙より引用)

2005〜2008年、「ウンポコ」に不定期掲載されたコミックエッセイ。巻末には弟・DAIGOとのロング対談を収録。



影木栄貴というマンガ家を知ったのは、1998年の「週刊文春」に彼女の記事が載っていたからである(ただし、「運命にKISS」か何かを「ウィングス」で読んだ記憶があった)。「週刊文春」のことは、chapter2に描かれている。コミックではゴールデンウィーク号になっているけれど、自分の記憶では年末号だったような気がするのだが……。そもそも「週刊文春」なんて、年末恒例の傑作ミステリー・ベスト10以外の目的で購入したことはない(はず)。しかし当の本人が間違えるはずもないしなあ。何で買ったんだろう。
記事の内容はしっかり覚えている。竹下登の孫がマンガ家であること。しかも描いているのは25歳の衆議院議員が総理大臣になり、しかも16歳の高校生を婚約者にしてしまうという『世紀末プライムミニスター』。人気があって有望みたいなことをマンガ評論家や(「ぱふ」か何かの)編集者あたりが語り、そのことについて竹下登周辺の人に聞いたエピソードを幾つか書いていた。そして竹下登の自宅へ記者がアポ無し訪問したところ、用件が孫のことだと知ったとたん妻(影木の祖母)が家の中に入れてインタビューを受ける。そこへ竹下登も登場して孫のことを語っていた。記者はアポ無し訪問を受けたことにも驚いていた(まあ、普通だったら追い返されるよな)。確か竹下登の誕生会で、影木が祖母に「1万円札をきれいな1000円札にくずしてくれ」と言われて用意したら、それを封筒に入れて誕生日プレゼントとして竹下登に渡し、竹下はそれをずっと家に飾っていたという話が書かれていた。竹下は、マンガ好きの麻生太郎にも見せたが、さすがの麻生も「よくわからない」と返した、みたいなことを語っていたはず(どうでもいいが、私はこの記事で初めてマンガ好きの政治家麻生太郎を知った。まさか総理大臣になるとは思わなかった)。嫌いな政治家だった竹下登も孫を愛する普通のおじいさんなんだと知り、意外だったことを覚えている。
それからは影木の作品をほとんど買っていたし(いや、同人誌は買っていない)、カバーを外すとTN元首相の孫みたいなことを書いていたから、みんな知っているものだと思っていたので、トリビアに取り上げられたときは逆にびっくりしたものである。
コミックスに出ていたから、DAIGOのことも知っていた。さすがにCDを買ったことはないが。その後ブレイクするとは夢にも思わなかった。
さて、この作品はそんな影木が色々なことをぶちゃけている。やはり元首相の孫ということで色々な経験をしているようだが、彼女から見たら竹下登は本当に普通のおじいちゃんだったということがわかる。竹下退陣デモに対する思いなんて、色々と考えさせられますね。まあ、それでもデモが悪いこととは思わないけれど。
DAIGOのことも、姉ならではの視点が面白い。まあ、30歳になって売れるとは思わないよな、普通。
ということで、色々と面白かった一冊。だけど、『トレイン☆トレイン』の続きを書けよ、本当に。