平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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はやみねかおる『卒業〜開かずの教室を開けるとき〜』(講談社 青い鳥文庫)

最後の舞台は、虹北学園。亜衣・真衣・美衣の岩崎三姉妹とレーチたちにも、ついに卒業の時がせまっていた。そんなとき、古い木造校舎にあった、「開かずの教室」を、レーチが開けてしまった! 封印はとかれ、「夢喰い」があらわれた!! 四十数年前の亡霊がふたたび虹北学園をさまよい歩く。

亜衣、真衣、美衣、レーチら、みんなの「夢」は喰われてしまうのか? 夢水清志郎、最後の謎解きに刮目せよ!!(粗筋紹介より引用)



青い鳥文庫というレーベルながら、本格ミステリとしての素晴らしさによって一般のミステリファンにも知名度が広がっていった夢水清志郎シリーズ最終巻。本来の主人公である亜衣・真衣・美衣の岩崎三姉妹の受験、卒業、高校入学が通して書かれている。最終巻ということで、これまでに登場した人物の多くが再登場。岩崎三姉妹やレーチたちの将来の夢なども書かれているなど、最終巻に相応しい仕上がりになっている。ただ、シリーズのけりを付けることや、本来の読者である小中学生へのメッセージ性の方が強く、謎解きの面はやや弱い。仕方のないことだろうが。ここは素直に完結おめでとうと言うところだろう。

とはいえ、この終わり方だったら再登場は容易だろうなあ。今度はアダルトな岩崎三姉妹やレーチを見てみたいと思ってしまうのは、年寄りの視線だろうね、やっぱり。殺人事件を解決する夢水を見てみたいとは思わないけれど。