平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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はやみねかおる『名探偵と封じられた秘宝』(講談社 青い鳥文庫)

今からおよそ百年まえ。「絵封師」を名乗るものが、鬼ヶ谷一族の秘宝のありかを「三枚の絵」にかくした。絵封師の目的は? 秘宝の正体は? すべての謎が解けたとき、そこにはさらにおどろきの真実が――!?

伊緒・ルイ、亜衣・真衣・美衣、レーチ……夢水の歴代メンバーが、総出演! はじめて夢水を読む人にもおすすめの夢水20周年記念短編集。短編「歩く御神木」も収録。(粗筋紹介より引用)

2014年11月刊行。



表題作の「名探偵と封じられた秘法」は、「絵封師は矛盾した悩みをかかえる〜宮里伊緒編〜」「おまけ レーチの文学的苦悩〜新たなる戦い〜」「上踊螺那村にて〜岩崎亜衣 高校生編」「絵封師は矛盾した悩みをかかえる〜宮里伊緒編〜 後日談」の連作短編集。残念ながら伊緒・ルイと亜衣・真衣・美衣の共演はありません。亜衣・真衣・美衣は高校三年生。レーチは中学卒業後フランス留学。他にも赤ん坊のいる虹北響子、同人誌を書いている岩崎マイン(どのシリーズ?)なども登場するオールスター編に近い仕上がりになっている。

絵封師が誰かとかの謎は大したことが無いし、三枚の絵の謎も予想がつくもの。はやみねかおるの真骨頂は、むしろ隠された秘宝の正体のほうかな。だんだんと説教臭くなっているのには気にかかるが、この終わり方はらしいというか。

こうやって読むと、その後の亜衣・真衣・美衣なんかは読みたくなってくる。まあ、のんびり待ちましょうか。