- 作者: 三津田信三
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/09/06
- メディア: 新書
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『首無の如き祟るもの』が面白かったので、この人のシリーズを読んでみようと思ったのだが、予想以上に読みづらかった。何度投げ出そうと思ったことか。リズムが悪いのか、それとも交わされる会話に読者への配慮が全く感じられないのが原因なのか。作者に置いてけぼりにさせられそうなところを、必死に追いついた。それが読了後の第一印象である。
絶海の孤島という舞台で、18年前と今で繰り返される衆人環視の目から消えた巫女の謎。さらに続いた消失事件。謎としては非常に魅力的な設定であり、周りを取り巻く雰囲気も実に不気味。民族ホラーと本格ミステリの融合、という点においては成功しているといっていいだろう。ただ、事件の解決そのものは、興醒めする結果であったのが残念だったが。個人的には、そんな解決、想像できないよ、と言ったところか。衝撃の解決!、ではなくて、色々な意味で呆れた解決であった。
好き嫌いがはっきりと別れる作品。はまる人ははまるだろうねえ。自分には合わなかった、それだけです。