- 作者: はやみねかおる,村田四郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/09/22
- メディア: 新書
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人気の「名探偵夢水清志郎事件ノート」最新作。
今回の夢水シリーズは、作者の言葉を借りると番外編ということになるらしい。舞台はクリスマスのハワイ。夢水清志郎が、45年前の幽霊城から子供が消失した謎を解き、清志郎左右衛門は移民した一家を守るために砂浜の大魔術を演出する。
ミステリとしてのこのシリーズは、現実ではあり得ないような(だが実現不可能というわけではない)大仕掛けのトリックを楽しめればそれでいいと、私個人は思っている。もちろん作者はフェアプレイ精神に則っているので、「やられた」「お見事」と思うことはあっても、「卑怯!」「インチキ」と貶すようなことはない。
そして清志郎の推理を通じて、人がしあわせになるのを読むことができるのは、本シリーズの大きな特徴だ。人がしあわせになる物語を読むと、自分までもがしあわせになったような気分になる。そんな暖かさを兼ね備えたシリーズだから、余計なことを考えずに作者の意図する流れに乗っていればいい。
ところで次回作は「卒業」なんですか? このシリーズは、ずっと続けてほしいんですけれどね。それと来春登場の新シリーズ「夢水清志郎の名探偵ものしりクイズ」って、本シリーズが終了したことに伴う新シリーズなのか、それとも別シリーズになるのか……。
どうでもいいけれど、本編で出てくる『超マニアッククイズ』の推理小説編、自分もこの番組に出てみたいぞ。それと「『鮎川哲也と十三の謎』と『黄金の13』をあわせた二十五冊は、とってもおもしろいから読んだほうがいいよ」という清志郎のセリフ、知らない人が見たら「なぜ二十五冊?」と首をひねるんじゃないだろうか?