平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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立野真琴『愛とお金』(白泉社 ジェッツコミックス)

愛とお金 (ジェッツコミックス)

愛とお金 (ジェッツコミックス)

全財産を継がせる条件は、500万円を自力で稼ぐこと。放り出された領、金太郎、円の従兄たち。そこへ現れたのは、20億の遺産を持つ少女、愛。愛は子供の頃から金太郎のことが好きだった。マネーラブコメ、「愛とお金」。
表向きはファンシーな雑貨屋だが、店主の正体は詐欺師。現れた女性の依頼は、父親が持っているはずの宝石。「イミテーションな聖夜に」。
雑貨屋で詐欺師の2人に、前作に登場した2人の女性も登場。渋谷のチームにいる女の子の婚約話を解消する手伝いをする「ご相談ください」。

願いを叶える妖精を通販するという雑誌広告に惹かれて、妖精を購入した女子高生。願いは当然、片思いの男の子と恋仲
になること。「妖精通販社」と書き下ろし「通販生活」。
1992〜2003年に掲載された未収録短編の単行本化。
大ヒット作はないものの、安定した3割バッターのイメージがある立野真琴。最近は他社でもいろいろと描いているけれど、白泉社でもまだ連載しているという事実から、その安定度が分かるだろう。
私にとって立野真琴は、読むものがないときの副読本。変な例えだが、読んで失敗するということがないので、困ったときは安心して手に取ることができるのだ。
「愛とお金」はまだまだ書き続けることができるだろうし(というか、描いてほしかった)、「イミテーションな聖夜に」「妖精通販社」もシリーズ化することが可能。それでもさらっと終わらせることができるのが、この人のいいと頃なんだろうな。