平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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中島茂信『平翠軒のうまいもの帳』(耷文庫)

岡山県倉敷市に“食の宝箱”とさえ呼ばれる奇跡のようなお店があります。それこそ、三代続くこの古い町の旦那、森田昭一郎が自らの舌と情熱と意地で“うまいもの”を集めた平翠軒なのです。この店の棚にずらりと並ぶ商品の数々は、日本一幸せなうまいものたちです。(粗筋紹介より引用)



倉敷市の観光名所、美観地区に並ぶ一軒の店、「平翠軒」。店の広さは29坪、扱い商品数は800店余り。商品は、いずれも当主の森田昭一郎が自分の舌と情熱で選んだもの。店内に並べられたすべての商品には、産地はもちろん、誰がどうやって作ったのかがわかる手書きの札が添えられている。なかには市井の料理人が作ったものを、プライベート・ブランドとして販売している。本書では約50品目を、当主森田自身の言葉とともに写真入りで紹介している。

当主の森田昭一郎は、倉敷にある森田酒造の三代目である。「平翠軒」の隣には、自身の店「森田酒造」がある。しかし時間があるときには、「平翠軒」のレジに立ち、客の反応を見ている。

店が近所にあるので、ちょくちょくのぞきに行く。本に収録されているもの以外にも、美味しそうなものが並んでいるので、長時間見ていても飽きが来ない。残念なのは値段が少々張ることだが、美味しくて安全なものは値段が高いことは当然だ。時々お菓子や酒のつまみなどを買い、その美味さに感嘆する。できれば死ぬまでに、自分が食べたいと思うもの全品を食したい。