平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

漂泊旦那の日記です。本の感想とサイト更新情報が中心です。偶に雑談など。

時間がないので

読んだ本のいくつかをミニコメント。後日、きちんと書きます。


笹本稜平『極点飛行』(光文社)
主人公たちに危機が迫るが、短いページで回避。また危機が迫り、都合よく回避。その繰り返し。読者が盛り上がる前に回避してしまうので、逆にイライラしてしまった。雑誌連載らしい失敗作。書いているうちに、物語が別の方へ向かってしまったのだろう。何はともあれ、飛行シーンに一番ページを割くべきだった。



浅倉卓弥四日間の奇蹟』(宝島社)

新刊で買って、今頃読む。手垢の付いたネタだが、料理法がうまい。それなりに面白かった。ただ、新味のないこのネタで大賞に選んだ選考委員はえらいと思う。



薬丸岳『天使のナイフ』(講談社

少年事件の取り扱いかたがうまい。被害者遺族、加害者、少年事件に関わるマスコミや弁護士、少年の更生に務める人たちを過不足なく書き分け、かつ物語の流れを損なわずに読ませるのだから大したもの。細かい伏線の張り方もうまいし、最後の収拾もお見事。近年の乱歩賞では上位クラス。今年のベスト10候補だろう。



斎藤純『ル・ジタン』(双葉社

これも新刊で買っていたな(苦笑)。音楽ミステリの最高傑作。今まで読まなかったことを激しく後悔。



司田武己『手塚治虫バカ一代―「幻のジャングル大帝」を覆刻した男・石川栄基の物語』(集英社インターナショナル

漫画少年ジャングル大帝を復刻した石川さんという人は知っていたが、その前身はこんなすごい人だったんだとびっくり。手塚ファンならずとも、読んでみて損はない。