- 作者: トマス・H.クック,Thomas H. Cook,村松潔
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2000/05
- メディア: 文庫
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1998年発表。2000年5月、邦訳、文庫本刊行。記憶シリーズ第4作。
暗い過去がキズとなっているミステリー作家ポール・グレーヴズが、50年前の事件の解決を依頼され、捜査を始めるのだが、聞きこみと仮説ばかりでこれが何とも地味。正直途中まで苦痛だったのだが、中盤からだんだん怖くなっていく。人が持つ闇とはこれほどまで深いものなのか、と思わせる作品だった。
現在と過去、さらにポールの小説世界が絡み合って反転していく展開は圧巻。ただ、読みこむほど心が暗くなっていきそうだ。明るい作品が好みの方には全くお勧めできない。
どうでもいいけれど、ポールではなく、脚本家のエレナ―・スターンに最初から頼めばよかったんじゃないか。