平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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加藤元浩『C.M.B. 森羅博物館の事件目録』第31巻(講談社 マガジンコミックス)

Q.E.D. iff−証明終了−』第3巻と同様、後半2本には被害者/犯人として出演できる特別企画「あなたを殺します」の当選された読者がチョイ役を含め登場する。もっともあくまで……以下同文。
東京に近い田舎ということでハイキングに人気の村で土砂崩れが起き、死後の世界の入り口、と言われた地獄穴が見つかった。一方村では人がどんどん消え、そしてテレビ局が取材に現れる。「地獄穴」。アイディアとしては面白いが、普通は●●●を提出させられるはずなので、実現不可能だと思う。
森羅が友人たちといったキャンプ地で、アルファロメオが崖下から落ちて木に引っかかっていた。2ドアはともに木に引っ掛かっており、鍵は付いたまま、ガラスも割れていない。足跡はある。運転手はドアも開かずに外へ出て崖をのぼったのか。しかもその車は半年前にも崖に落ちており、その時は崖の上にあった山荘の主人が事故死していた。「ゴーストカー」。車の謎から遺産相続争いにつながる展開は面白い。ちょっとオチが弱いか。
アパートに住む四人の男性の一人が殺害された。残り三人の男性は自分の部屋に死体が放り込まれ、別の男性に押し付ける。結局巡り巡って、死体を担いだ三人の男性は、森羅の元に死体を担ぎ、どうすればよいか助けを求める。「動き回る死体」。殺人事件とはいえユーモラスな展開だが、謎解きがあっさりしているのは残念。
年2回開催、賞金100万円の推理ゲームに集まった人々。提出された謎は、実際に起きた人気マジシャンが、水槽脱出トリックに失敗して死亡した事件。事故死として扱われたが、実は殺人ではないか。容疑者は後継者候補の2人の弟子。マジシャンは自分の名をどちらかに継がす予定だった。犯人はどちらか。「第27回探偵推理会議」。舞台裏はあまりにも見え見えだったが、トリックも含めてなかなかの出来だったと思う。