平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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加藤元浩『C.M.B. 森羅博物館の事件目録』第30巻(講談社 マガジンコミックス)

輸入家具販売業の男性は、アラスカに住むアメリカ先住民のお守りであるドリームキャッチャーの新しいものを作りに行くと長期休暇を取った。男性の恋人のところに、男性の共同経営者が雇った弁護士が現れ、男性が会社の金を横領したと民事裁判を起こしたと告げられる。男性はどこへ行ったのか。本当に金を横領したのか。「ドリームキャッチャー」。
大学で初めてできた友人が、入学1か月で大学へ来なくなるようになり、とうとう休学届を出した。携帯電話も通じない。もしかしたらやばいことに巻き込まれたんじゃないか。バイト先で出逢った女性客が原因ではないのか。心配する男性に、森羅が出した答えは。「宗谷君の失踪」。
バルセロナオーウェン・ジョーンズの絵を買いに結婚パーティーへ来たマウ。ところが新郎で交渉相手のベルナルドが刺され意識不明に、発見したマウが血だらけのナイフを握ったところを他の人が見て、マウはスペイン拘置所に入れられた。マウに呼ばれた森羅と立樹は、結婚相手であるイネスを尋ねる。イネスは、かつて付き合っていた男性が犯人だと思っていたが、彼には10km離れた先の誕生会で道化師の仕事をしていたアリバイがあった。「JOKER」。
ワイン工場で成功して資産1億ドル以上を持つピーター氏は妻に拳銃で殺害されたが、裁判では正当防衛が認められ無罪になった。しかし資産の7割が見つからない。謝礼目当てのマウに呼び寄せられた森羅と立樹は、遺産と射殺事件の謎を解く。「ピーター氏の遺産」。
シリーズ30冊目。アリバイトリック等が出てくる「JOKER」もいいが、「宗谷君の失踪」のように謎らしい謎もなく、さりげなく教訓が出てくる話も悪くない。ただ、一番面白かったのは「ドリームキャッチャー」かも。