平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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加藤元浩『C.M.B. 森羅博物館の事件目録』第17巻(講談社 マガジンコミックス)

C.M.B.森羅博物館の事件目録(17) (講談社コミックス月刊マガジン)

C.M.B.森羅博物館の事件目録(17) (講談社コミックス月刊マガジン)

30年前、東ドイツから西ドイツへと、両親とともにベルリンの壁を越えようとして失敗した5歳の子供が持っていた1冊の本。30年前、検問所でいったい何があったのか。「プリニウスの博物誌」。
自分で積んで「七草粥」を作ろうと、隠れ里の伝説がある山へ来た森羅たち。山奥にあるには不自然な豪邸。そして山頂にいた老人に教えられたとおりの道をたどったのに、森羅たちは何度通っても元の豪邸にたどり着いてしまう。この山は本当に隠れ里があったのか。「隠れ里」。
世界的な設計事務所のチーフが新たに建てた自宅の豪邸。テレビ中継中にかつての同僚が現れて、分厚いコンクリートの壁に行方不明中の先輩が埋められていると叫んだ。「モザイク」。
自動車整備士の友人より、日本で初めて作られた前輪駆動車「つくば号」の取り外されたハンドルを探してほしいと依頼された森羅。かつての持ち主は成功を夢見て、あちこちから借金を重ねており、そしてとうとうアルバイトで貯めた息子の進学費用にまで手を付けてしまった。「幻の車」。
推理そのものよりも、薀蓄の方が面白いシリーズになってきた。1話で解決してしまうことを考えると、これが限界かもしれない。それはそれでミステリの一つの楽しみでもあるのだが、もうちょっと謎の方にも重点を置いてほしい。