- 作者: 安東能明
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2001/01
- メディア: 単行本
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2000年、第1回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞作に加筆訂正し、2001年に単行本化。
元々ホラーは苦手なのだが、本作品は幼児虐待を扱ったもの。はっきり言って苦手中の苦手なテーマ。受賞作でなければ、手に取ろうとはしなかっただろう。我慢して読み進めたが、その内容で鬱になりそうで、本当に苦痛だった。物語の真相自体は割と早めに想像つくだろうが、そこに至るまでの過程がもう駄目。つまらないという意味とは別で、ページを重く感じたのは久しぶり。もう精神的に耐えられなかった。逆を言うと、虐待の方を前面に押し出しすぎて、物語が単調になっている感は否めない。もう少しオブラートに包む方法はなかったのだろうか。真相に気付かない主人公公恵にも苛立つし。
人の心の恐怖を扱った作品だけど、普通に単語として挙げる「恐怖」とは違う気がする。得体の知れない恐怖とは異なる、触れてはいけない恐怖の類だろう。この手の作品が好きな人でない限り、お薦めすることが出来ない作品。