平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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藤子・F・不二雄『ドラえもん』第13巻(小学館 藤子・F・不二雄大全集)

藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん (13)

藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん (13)

藤子・F・不二雄大全集第2期第9回配本の一冊。1973年度生まれ編の全72作品収録。他作品にも同様なアイディアが見られ、それを比較するのも楽しい「あめんぼう」「石器時代のホテル」、のちの映画でも使われる秘密道具が出てくる「のび太シンデレラ」「鏡の中の世界」、オバQ、怪物くん、デンカ、魔美の登場がファンを喜ばせた「なんでも空港」、しずか・スネ夫ジャイアン以外の出木杉が自らの希望でタイムマシンに乗って未来に行くという出来事も忘れられない「人間ブックカバー」、このばかばかしさが藤子・Fの真骨頂という気もする「大ピンチ! スネ夫の答案」、やはりこのオチがなければと思わせる「ロビンソンクルーソーセット」、ナンセンスさと自然の大切さをミックスさせた「酒の泳ぐ川」、のび太はいつまでたってものび太という「ガッコー仮面登場」、ブームの取り上げ方が面白い「大予言・地球の滅びる日」、のび太の成長とジャイアンたちの友情が確認できる「ドラえもんに休日を!!」、ジャイ子の成長ぶりが見られる「大人気! クリスチーネ先生」、のび太の将来と成長ぶりを予感させる「45年後……」などを収録。
今回の巻では、のび太の成長と将来に関する作品が多いように感じた。藤子不二雄ランドが創刊されるなど、人気絶頂期のころの作品群であるが、のび太の未来を暗示するような作品が多いのは、ここらでのび太の将来について方向性を確定させたかったのではないかと思われる。
ドラえもんの化物的人気(表現が悪くて申し訳ない)が安定化したころの作品群であるが、アイディアの枯渇が見られない点は本当に感心する。