平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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藤子・F・不二雄『ドラえもん』第20巻(小学館 藤子・F・不二雄大全集)

藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん (20)

藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん (20)

藤子・F・不二雄大全集第3期第13回配本の一冊。『週刊少年サンデー増刊号』『コロコロコミック』掲載作品に加え、『小学館BOOK』『小学生ブック』に掲載されたドラミちゃんの話をのび太バージョン、初出ののび太郎バージョンを併せて収録。さらに『小学四年生』に掲載された「ドラとバケルともう一つ」、「ドラえもん誕生」、しのだひでお「ドラQパーマン」等を収録。
週刊少年サンデー増刊号』掲載作品はページ数があることもあり、読み応えのある作品がそろっている。これが後の『大長編ドラえもん』につながっていったのかと思うと、非常に興味深い。またドラミちゃんに関しては初出版、単行本版の双方が収録という嬉しいものとなっている。それにしてもズル木のみ変えなかったのはなぜなのか、今でもわからない。ドラえもん人気の初期に作られた「ドラQパーマン」もめでたく収録。ネームは藤子Fで絵がしのだとなっているが、なぜ藤子Fは描かなかったのか。オバQはもう描かない、という本人の意向でもあったのだろうか。単純に忙しかっただけかもしれないが。「ドラとバケルともう一つ」も待望の収録。藤子Fの遊び心が見られ、非常に楽しい。
解説は編集者の平山隆。最後にしては弱い人選かと思ったが、さまざまなエピソードが語られ、さすが小学館の担当編集者と思ってしまった。手塚治虫と同じように、藤子・F・不二雄の担当編集者によるエピソード集でも一冊作ってくれないだろうか。
これにて『ドラえもん』も完結。『大長編ドラえもん』と併せ、これだけのストーリーを作ってきたことに感心、驚嘆。だけど作者にとっては、まだまだ描きたいストーリーがあったのだと思う。