平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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ヘンリイ・スレッサー『グレイ・フラノの屍衣』(ハヤカワ・ミステリ文庫)

グレイ・フラノの屍衣 (1978年) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

グレイ・フラノの屍衣 (1978年) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

特定の新婚夫婦を選んで、その赤ん坊を<バーク・ベビイ>と名付け大々的に幼児食品を売り出す――ある広告代理店が考案したバーク食品の広告に関する新企画は、健康な赤ん坊に恵まれ順調に進むかに思えた。しかし、専属カメラマンの突然の解雇と死に始まる不可解な事件が続発するに及び、この新企画はにわかに暗雲に覆われ始めた。

熾烈な広告戦がつづくニューヨークを舞台に、著者自身の広告マンとしての経験を活かし、凝った構成と巧みな語り口で贈る長編力作。1959年度アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀処女長編賞受賞作!(粗筋紹介より引用)

1958年1月、アメリカのランダム・ハウス社から出版。1960年、ハヤカワ・ポケット・ミステリに収録。1978年に文庫化。



短編作家として有名なスレッサーの処女長編。広告代理店勤務の経験を活かした作品であり、各章のタイトルも広告から採られたものとなっている。その辺の設定や登場人物はうまく書かれていると思うけれど、内容となるとどうも軽い。なんか簡単に真相が証されるのはどうだろうか。まあそういう意味では手軽に読めるという見方が出きるかもしれないけれど、短編の味付けのまま長編を作ってしまったための薄さしか感じられないのは困ったものである。

うーん、今一つだったかな。