- 作者: 藤子・F・不二雄
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2009/10/23
- メディア: コミック
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なんといってもこの巻の目玉は、「クルパー電波」の収録だろう。いや、正確には"だった"と書くべきか。無かったことにされたキャラクターであるガチャ子が登場する上に、その秘密道具の名前が言葉狩りにあいやすいという意味で危険すぎることから、絶対に収録不可能だと思われていた作品の一つである。帯にまで「クルパー電波」と書かれているのに、実際の中身は「おかしなでんぱ」。色々な意味で自粛したのだろうが、残念といえば残念。ただ、実際に不快と感じる人はいるのだろう(ただ、そういう人は中身を読んで抗議するかしないかをきちんと判断すると思うし、悪意があるかどうかも判断すると思う)し、表面的な語句のみをわざと大きく取り上げて、問題化しようとする人たちはどこにでも居るのだから、内容や絵を変えなかったということが出版社側としてはギリギリの妥協点なのだろうと思って、ここは素直に収録されたことを喜ぶべきだと思うけれどね。
本巻では、先に挙げた作品を含むガチャ子登場作品4本を収録。第2巻に収録された1本も含め、これでガチャ子登場作品全話を読むことが出来るようになった。これだけでもすごいことだよ、きっと。
後半になるにつれ、『ドラえもん』に登場する人物のキャラクターが固まってきており、初期のドタバタ色は消え、内容も人生観とか深みのある作品が増えてきている。この辺で作者は『ドラえもん』という作品の方向性が定まってきたのだろう。個人的には、日テレアニメ版のドタバタぶりを払拭したかったのではないかと思っているのだが。