平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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別役実・朝倉喬司『犯罪季評』(朝日文庫)

「グリコ・森永事件」から「宮崎勤事件」の時代――昭和の最終局面から平成へ、衝撃的な犯罪事件が集中して発生した。いじめ、家庭の崩壊、年少者の自殺、情報社会の政治の諸相……次々に生起する事件を俎上にあげて、「劇場犯罪」の現代を解明する。朝日ジャーナル連載の“犯罪批評対談”。(粗筋紹介より引用)

朝日ジャーナル1984年12月28日号〜1989年7月28日号まで、季節ごとに18回にわたり連載されたものをまとめたオリジナル文庫。



犯罪世界を読み解くプロ同士の対談集。ただ、個人的にはただの井戸端会議をまとめたものに過ぎないという印象しかない。様々な事象を取り上げているけれど、時代を読み解くというほど深い分析をしているわけではないし、事件の深層に迫るほどの取材をしているわけではない。マスコミが取り上げた事件について、勝手なことを言い合っているに過ぎない。

犯罪ものは一人で書くと深層心理までどんどん突っ込んでいくものだが、対談にするとどんどん脇にそれていくものらしい。かえって勉強になった。