平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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加藤元浩『C.M.B. 森羅博物館の事件目録』第29巻(講談社 マガジンコミックス)

亡くなったアメリカの石油王の金庫の奥に置かれていたのは、タイの人が首から下げる仏像のお守りであるプラクルアン。量産品としか思えないものをなぜ大切そうに保管していたのか。依頼を受けた森羅と立樹はタイに行き、そこでプラクルアンを渡したのがミャンマーを超えてやって来た孤児のシダであることを知る。「プラクルアン」。
正月の初詣で立樹はひったくりを発見。ひったくりは逃げてしまったが、落としたらしい鞄を見つけた。ちょうど警察も駆けつけた時、二人の男女がともにそれは自分の鞄と言い張った。確かに中身も特徴も当たっている。実はこの二人、別れた恋人同士だった。一体どちらの言うことが正しいのか。「被害者、加害者、目撃者」。
苦労知らずで楽天家の若社長に、亡くなった祖父は荒れた屋敷を残した。祖父は弁護士に、屋敷で困ったら森羅博物館を訪ねろと言い残していた。「椿屋敷」。
強盗殺人事件で勾留されていた蒲生夏喜は、今まで殺人を否定していたが、誰も信じてくれないからと突然殺人を認める供述を始めた。強盗の証拠は全てそろっており、蒲生も大けがを負わせたことまでは認めていたが、包丁で刺したことだけは否定していた。彼の衣服には返り血がないことから、弁護士は殺人のみ無罪を主張。被害者と知り合いだった森羅は、事件の状況と供述を元に真犯人に辿り着く。「自白」。
シリーズ29冊目。今回一番よかったのは「自白」かな。燈馬と森羅の違いを何となく見たような気がする。