- 作者: サラウォーターズ,Sarah Waters,中村有希
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2003/05/24
- メディア: 文庫
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1999年、ロンドンのGreene & Heaton Ltd.より刊行。アメリカ図書館協会賞やサンデー・タイムズの若手作家年間最優秀賞、さらに、35歳以下の作家を対象とするサマセット・モーム賞を受賞。2003年5月、翻訳。『週刊文春』2003年傑作ミステリーベスト10/海外部門第1位、『このミステリーがすごい! 2004年版』海外編ベスト10第1位。
前評判はすごかったし、その後の年間ランキングでも大絶賛された一冊。しかし私、新刊で挑み、何回も跳ね返されていました。なんか、主人公のマーガレット・ブライアという上流階級の令嬢が監獄へ慰問に訪れるという展開がどうも好きになれなかったし、そもそも女囚が集められている監獄というのが好きになれない。女性ばかりが集まるというのはどうも苦手。日記調の淡々とした文章も、小説が纏う妖しさも不気味だったこともある。
とはいえ、ようやくこの本に向き合おうという気力と時間が取れたので読んでみたけれど、思っていたほど読みにくくもない。日記調の文章も、慣れてしまえばわりとすいすい読める。ただ、女性ばかりの物語というのはやっぱり苦手。まあ、マーガレットに感情移入できないというのがいちばんの理由なのだが。本人にその気がなくても、上から目線的な雰囲気が醸し出されていることは否定できない。1873年という時代が時代だから仕方がないのだろうが。
霊媒の少女の謎はさすがにしてやられたが、なんというか、ああそうなのとうなづくだけで終わってしまうのは、やっぱり感性が鈍くなっているのかもしれない。もうちょっと時間をかけて読むべきだっただろうか。