平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

漂泊旦那の日記です。本の感想とサイト更新情報が中心です。偶に雑談など。

京極夏彦『百鬼夜行-陰』(講談社ノベルス)

百鬼夜行-陰 (講談社ノベルス)

百鬼夜行-陰 (講談社ノベルス)

姑獲鳥の夏』『魍魎の匣』『狂骨の夢』『鉄鼠の檻』『絡新婦の理』『塗仏の宴』にかかわった人物の背景が明らかになるサイドストーリーを集めた1冊。『小説現代』に1995〜1999年に掲載された「小袖の手」「文車妖妃」「目目連」「鬼一口」「煙々羅」「倩兮女」「火間虫入道」「襟立衣」「毛倡妓」の9編を加筆修正し、書き下ろし「川赤子」を加えて収録。1999年7月刊行。



新刊で買って、そのまま放置していた一冊。過去作品の登場人物、それも犯人や被害者を主人公としたサイドストーリー短編集。とはいえ、もう京極作品に興味がなくなっているし、長編群を読んだのも20年近く前になるなので、こんな人物が出ていたような記憶があるな程度の認識。覚えていれば少しは面白さが違ったかも知れない。まあ、それらを知らずに読んでもわからないではないが、今一つ感情移入できなかったことも確か。というか、中途半端に覚えている分、逆に苛立ってばかりだったりもした。

普通に読めば怪談になるのだろうが、逆に構えてしまったなあ。そういう意味ではかなり残念。まあ、続けて読むべきだったね、ということで終わってしまう短編集ではあった。どうでもいいが、最後の「川赤子」を読むと、関口はよく結婚できたなあ、と本気で思ってしまう。
さらにあきれるのは、新刊で買った塗仏を未だに放置している事か(苦笑)。