藤子・Ｆ・不二雄『T・P(タイム・パトロール)ぼん』第2巻（小学館 藤子・Ｆ・不二雄大全集）

藤子・F・不二雄大全集 T・Pぼん: 藤子・F・不二雄大全集 第3期 (2)

藤子・Ｆ・不二雄大全集第3期第3回配本の一冊。時代・時間を問わず、歴史の流れに影響のない範囲で不幸な死を遂げた人々を助ける、それがタイム・パトロール（T・P）。晴れて正隊員となった並平凡だったが、通り魔殺人事件の被害者安川ユミ子を救う際に「フォゲッター」を押し忘れていたため、ひみつを守るためユミ子を助手とすることに。『コミックトム』1980年5月号〜1983年6月号に不定期掲載された「ユミ子編」10本を収録。
掲載誌が変わった（後継誌）となったこともあり、新たに新キャラユミ子が登場。助手とはいえ、どちらかといえばユミ子の方が優秀で、うかうかしていられない凡。気のせいか、やや強引な解決が増えてきているのは少々残念だが、歴史への影響を及ぼさない範囲でギリギリ介入し、人助けをする二人の活躍は読んでいて楽しい。編集者によると、この作品の資料はすべて藤子F自身が調べていたとのこと。『ドラえもん』ブームもあったせいか、掲載が飛び飛びになっているのは残念だが、これだけ綿密に調べて物語に組み込もうとすると、どうしても時間がかかるのは仕方がないこと。良質な作品を読むことができたことに満足すべきだろう。