平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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児玉憲宋『尾道坂道書店事件簿』(本の雑誌社)

尾道坂道書店事件簿

尾道坂道書店事件簿

新米書店員時代の七転八倒から、悪性リンパ腫との戦い、そして書店に復帰してからの刺激的で幸福な日々。本への深い愛情と郷土の熱い思いを書店の現場から綴るエッセイ集。(帯より引用)

「WEB本の雑誌」に連載されたものを加筆修正の上、2009年1月に単行本化。



広島県内の書店チェーン「啓文社」に勤める著者の、入社当時のエピソードから闘病生活、そして復帰後の日々を綴ったエッセイ。自分も今は岡山県人だが、一時期広島で働いていたし、「啓文社」に勤める友人(この本にも出てきます)もいる。それに元「啓文社」アルバイトの人からもこの人のことを聞いていたので、思わず読了。うん、面白かった。

書店員時代のエピソードは、読んでいても目から鱗みたいな話が多い。対象物が異なるというだけで、結構他業種のビジネスにも繋がることが多いんじゃないだろうか。やはり人の上に立つ人は、発想が違うんだろうなあと認識。

ただすごいなと思えるのは闘病生活とその後。自分だったら絶対ふてくされている。ここまで前向きに考えることなんてできない。もちろん周囲の助けがあったからこそなのだが、周囲が助けようと思わせる何かがこの著者にあったのだろう。何事も普段の生き方が大切。努力って必要だよね、うん。

本好きなら必見じゃないかな。本好きじゃなくても、生きることに対してのヒントが得られると思います。