平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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原作万城めいと/漫画若山晴司『素敵探偵ラビリンス』第1巻(講談社 マガジンコミックス)

素敵探偵ラビリンス(1) (講談社コミックス)

素敵探偵ラビリンス(1) (講談社コミックス)

すべての首都機能を新都に移されたため、棄てられた街となった旧都・東京。荒廃が続くこの街で、現在の科学捜査では追求できない複雑怪奇な事件は、「幻夢事件」とよばれ、警察から早めに切り捨てられるようになった。そんな旧都で、「幻夢事件」の謎をいくつも解き明かした名探偵がいた。利発で、無邪気で、愛らしい。日向マユキ、11歳。
マガジンSPECIAL」がまた新しい謎解きものをもってきた。今回の名探偵は11歳の少年。普通だったら警察の捜査に立ち会えるはずはないのだが、執事が何かを耳打ちすると、誰もが態度を変えてしまうという設定もあるし、他にも謎がいっぱい。隠された設定は、追々明らかになるのだろうな。
第1巻では、かつて電波塔として使われていた高い塔の上に男が串刺しされていた事件と、日向家のメイドが通っている女子校で教師が殺害され、しかも容疑者がメイドという事件の二つ。二番目の事件は途中で終わっており、加藤元浩のように1巻内で事件が完結する作品を読んできた身にとっては、少々じれったいところである。
1番目の事件は、「幻夢事件」と呼ばれるくらいの不可能犯罪。そのトリックも豪快。実際に可能かどうかはわからないが、絵で見せられてしまうと何でも許せてしまうね。これが小説で書かれると、荒唐無稽の一言で切り捨てられてしまうんだろうな(切り捨てそうなタイプだな、自分は)。
とりあえず、続きが楽しみな探偵ものがまた一つ増えた。