- 作者: ミネットウォルターズ,Minette Walters,成川裕子
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1999/05/21
- メディア: 文庫
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1992年、発表。1992年、CWA(英国推理作家協会)最優秀新人賞(ジョン・クリーシー賞)受賞。1994年、翻訳、単行本刊行。1999年5月、文庫化。
ミステリーの新女王、ミネット・ウォルターズのデビュー作。買うだけ買って、そのままだった一冊。
屋敷に住む3人の女性。屋敷の主の夫は10年前に失踪したまま。村からは孤立し、村民からはレズだと噂されている。氷室から無残な死骸が発見され、警察が乗り込む。
警察を含む登場人物の全てが、悪意と皮肉と悪口の応酬になっており、読んでいて憂鬱になってくる。所々で書かれる性の開放の話などは、物語に本当に必要だったのか疑問。そのくせ、イギリスの小説らしいユーモアも出てくるから始末に悪い。
物語は女主人であるフィービに嫌疑を掛けるウォルシュ首席警部が一応中心となるも、今一つ焦点がピンとこないまま話が進むので疲れる。途中で友人のアンが襲われ、アンとマクロクリン部長刑事が中心となっていく。まあ、会話ばかりでノロノロしたよくある英国ミステリと比べると、テンポは悪くないと言えるかも。ただ、結末は退屈。
悪くはないが、「新女王」と呼ばれるだけの作品だったのだろうかという疑問がある。好き嫌いがはっきりする作風じゃないだろうか。『女彫刻家』はまあまあ面白かったけれど。