- 作者: 歌野晶午
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/08/07
- メディア: 新書
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「Q1 次は誰が殺しますか?」「Q2 密室などない」「Q3 切り裂きジャック三十分の孤独」「Q4 相当な悪魔」「Q5 三つの閂」「Q6 密室よ、さらば」「Q? そして扉が開かれた」を収録。『メフィスト』2007年9月号〜2009年1月号掲載。大幅加筆、訂正後の2009年8月、講談社ノベルスより刊行。2010年、第10回本格ミステリ大賞(小説部門)受賞。
『密室殺人ゲーム王手飛車取り』の続編、というかシリーズものの続き。別に前作を読んでいなくても普通に読むことができる。とはいえ、読んだ方がびっくりするとは言える。
内容は推理クイズ合戦なのだが、「ありとあらゆる事を疑う」ことを前提とした本格ミステリとして考えれば、究極なトリックといえないこともない。現在の世の中でも、殺人のための殺人や快楽のための殺人があるのだから、思いついたトリックを実行するだけの殺人があったっておかしくない。とはいえ、これはただのゲームだよな……というがっかり感があることも否めない。このような稚気を楽しむことができなくなってしまったのは、ノンフィクション・ノベルの読み過ぎですかね……。
本格ミステリとしてのテクニックも素晴らしいし、一つ一つの短編がよくできていてかつ長編ならではの仕掛けも有しているというところも素晴らしいのは認めるけれど、面白いとはいえなかった。これはもう、好みの問題。3部作で『マニアック』が出ているので、気が向いたら読んでみようとは思う。