平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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藤子・F・不二雄『初期少女・幼年作品』(小学館 藤子・F・不二雄大全集)

藤子・F・不二雄大全集第2期第11回配本の一冊。昭和30年代前半のいわゆるトキワ荘時代に描かれた少女・幼年作品を集めた作品集。<少女向け作品> は「ゆりかちゃん」「光公子」「エミーと魔法のビン」「うっかりぼうや」「母の呼ぶ歌」「黄金のすずらん」「泣きだした王さま」「どろぼうと天使」「えり子のしあわせ」「雲の中のミカド」「バラとゆびわ」「やっぱり女がいいわ」「春子の日記」と、 <幼年向け作品>の「よるの王子さま」「あきれたあきおくん」「コンちゃんのリンゴ」「ゆきおとこ」「まほうのリンゴ」「ロボットくんはりきる!」「おやゆびひめ」「ちびとおに」「うっかりにいさん」「ゆうれいやしき」「おさるのちえくらべ」「いつまでたってもおわらないまんが」「べんりなリュックサック」「おやまのきょうだい」「ライオンとこじか」「ぽちのおつかい」「あきおくんとろぼっと」「らいおんになったろば」「はるおくんのしっぱい」を収録。特別資料室にはコママンガを収録。
「おやゆび姫」以外は単行本初収録。まあ、いくつかは『まんが道』で読んだことがありましたが、飛び飛びで読むのとまとめて読むのはやっぱり違う。それに勘違いしていたものも多かった。たとえば「よるの王子さま」は雑誌休刊で連載が止まっていたとは知らなかったし、「光公子」はどう見ても打ち切りだった。
別名義で描かれた作品(「ゆうれいやしき」)なども収録されており、資料価値そのものも高いが、今読んでも面白い作品が多かったのも意外。「雲の中のミカド」「バラとゆびわ」「泣き出した王さま」「ライオンとこじか」なんかは原稿で読んでみたかったな。「よるの王子さま」は出だしが面白かっただけに、連載中断となったのがとても惜しい。全作品印刷物複写だったのはとても残念。
さて、初期作品集があるのなら、中期作品集ももちろんありますよね。トキワ荘以後の作品も出してくれますよね。出してくれますよね。