平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

漂泊旦那の日記です。本の感想とサイト更新情報が中心です。偶に雑談など。

途中経過はいらない

一例を挙げると、中大教授殺人事件。
容疑者が5月21日に逮捕されると、連日の報道。過去がどうだったかとか、計画的かどうかとか、どこそこで準備していたとか、凶器はどこそこで買ったとか。全部いらない。だって、全部「捜査関係者の話で明らかになった」だからね。真実かどうか確認することができないし、知る必要もない。真実は裁判所で明らかになるはずなんだから。
書いていることは殆ど伝聞だし、記者や読者が謎を解き明かすわけでもない。単なるのぞき趣味と変わらない。被害者遺族に捜査内容を伝えるのならわかるけれど、他に何の必要があるんだ? おまけに見出しなんかで「〜か」と、断定口調を避けるあたりが、新聞記者のせこさ。断定しないことによって、万が一の損害賠償を避けようとしていることが見え見え。だけど読む方は殆ど真実だと思って読んでしまうよね。
テレビのニュース番組でも同様。「○○被害者に何があったのでしょうか?」なんて煽るような惹句をつける閑があるんだったら、起訴事実が正しいかどうか自分たちで検証するぐらいの手間をかけたらどうなんだ? 将来そのような事件を起こさないように提言でもしたらどうなんだ?
送検や起訴、公判前整理手続きなどの“事実”は報道してもらいたいけれど、“伝聞”や“憶測”はいらない。裁判員制度を非難するような論調の記事を書く閑があったら、このような裁判員を誘導しそうな記事を書くのを止めたらどうなんだ? 事件の時は煽るだけ煽って、一審の判決以降はほったらかし、なんて事をする前に、被告が最後どうなったのかぐらい書いたらどうなんだ?