- 作者: 笹沢左保
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 1992/02
- メディア: 文庫
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資産家三木達二は、臨終に際し、長女京子、次女奈美を前に、北原弁護士立会いで、驚くべき遺言を公表した。が、遺言に強い不満を抱く奈美は、洋子の事故死を計画。一方、洋子の母で美貌の悦子は、京子の愛人・北原に近づき、関係を結んだ。女たちの思惑が乱れる中、やがて意外な秘密が浮かび上がった……。(粗筋紹介より引用)
1988年12月、ノン・ノベルより書き下ろされた作品を1992年に文庫化。
『霧の中の悪魔』『ふり向けば霧』『霧の鬼畜』に続く“霧”シリーズの第四弾。といっても,タイトルに霧がつくだけっぽいが。
あまり冴えない資産家が死亡する寸前に現れた隠し子および遺言と遺産を巡り、不満を募らせたあげく殺人計画を立てるという、よくあると言えばあるストーリー。登場人物が凡人ばかりで、計画が杜撰なところはかえってリアリティにあふれているというか。笹沢作品お約束ともいえるセックスシーンも交えてのサスペンスは、とりあえずの時間つぶしには最適。それでもトリックを仕掛け、読者を驚かそうとするところはさすが笹沢と言うべきである。