平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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わかつきめぐみ『ゆきのはなふる』(白泉社 ジェッツコミックス)

ゆきのはなふる

ゆきのはなふる

2年に1冊の恒例(もっと描いてよ(泣))、わかつきめぐみの新刊は、今まで発表された「主様」シリーズ完全収録。さらに書き下ろし新作104ページ「ゆきのはなふる」を収録。
わかつきめぐみは短編も多いため、連載作品のページ埋めで収録されるものも結構多い。この短編の中に、いつの間にかシリーズ化しているものもあり、この「主様」シリーズもそんな作品の一つ。最初の「くちなしの薫る頃」は1990年の作品。単行本に収録されるのは4回目になるのだろうか。
書き下ろし「ゆきのはなふる」は、このロボットネタを、この絵柄で、しかも和風ファンタジーの世界で描いてしまうかなあとびっくりしてしまう傑作。ちょっと切ない物語です。
一時「癒し系」という言葉が流行ったが、わかつきめぐみの作品は、その言葉がぴったり来る作風。ちょっと不思議で、ちょっとファンタジーで、そして読み終わると何故かほっとする。優しい絵柄も含めて、全てが「癒し系」なのだ。
ここ数年はマイペースで刊行されているが、ファンとしてはもう少し速いペースで本を出してほしいと思ってしまう。未完のシリーズものにも手を染めてほしいところだ。「水のソルティレージュ」が読みたいよ。