平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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米澤穂信『秋季限定栗きんとん事件』上下(創元推理文庫)

秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫)

秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫)

秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6)

秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6)

船戸高校新聞部一年の瓜野君は、学内新聞でも学外の話題を積極的に取り上げるべきだと主張するが、堂島部長の反論の前にあえなく敗退を繰り返していた。そんなある日、同じ新聞部員の小さな提案でにわかに突破口が開けることに。意気込んで何の記事を書こうか模索する瓜野君は、木良市で頻発する小規模な放火事件にある共通項を見つける……みんなが驚くようなすばらしい記事を書いて、おれは彼女にいいところを見せたいんだ。彼女――小佐内ゆきに! 一年近くにも及ぶ放火魔追跡の過程を描く、シリーズ怒涛の第三弾、上巻。文庫書下ろし。(上巻粗筋紹介より引用)

「やっぱり、俺はこういう話には向いていなかったな。相談しておくべきだった」との呟きを残し堂島部長は新聞部を引退、ついに瓜野君は部長の座を手にする。連続放火の法則性を発見していた彼は、自らの手で犯人を捕まえるべく、新入部員を鼓舞して張り込みを始まるまでに。「おいたは、もうだめ。何もしないのが、一番いいと思うの」小佐内ゆきからそう釘をさされていたにもかかわらず……呆然のエンディングまで一気呵成に突き進む、怒涛の解決編。新世代ミステリの旗手によりシリーズ第三弾、下巻。(下巻粗筋紹介より引用)

2009年3月、文庫書下ろし刊行。



小市民シリーズ第三作。小鳩君と小佐内さんが別れてから1年近くかけて放火事件の謎を追うストーリー。もっとも事件を追うのは新聞部員の瓜野君。まあ、登場人物も少ないこともあり、冷静に読んでいれば放火事件の犯人はある程度想像つくのだが、結局このシリーズは小鳩くんと小佐内さんがどうなるか、という点にかかっている。といっても、もどかしさすらないこの二人、盛り上がりにも欠けるし、まあ読み進めてみたら終わった、という印象しかない。

さっさとシリーズ完結作を書くべきだろうね、これは。としかいいようがない。