- 作者: エドマンド・クリスピン,滝口達也
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
- 発売日: 2004/05/26
- メディア: 単行本
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1945年発表。クリスピンの第二長編。2004年5月、翻訳、刊行。
クリスピンは苦手な作家のひとり。英国風の本格ミステリがあまり好きになれないということもあるが、それ以上にあのユーモアが付いていけない。クリスピンはアマチュア作家だったかもしれない(本業は作曲家)が、戦後の英国本格ミステリを代表する作家だったと思う。
それにしても、ヴィントナーとフィールディングの補虫網をめぐるドタバタぶりには頭を抱えるしかなかった。ああいうドタバタは映像ならまだ楽しめるのだろうが、文章で読むと興醒めしてしまう。
巨大な墓碑に押しつぶされるトリックについても、謎自体はワクワクしたが、種明かしをされると本当に可能なのかと首をひねってしまう。それを受けいれたとしても、背景も含め不自然であることは否めない。
とってつけたようなロマンスも含め、何から何まで楽しめなかったのは事実。うーん、やっぱり肌に合わないとしか言いようがない。犯人を突き止めるロジックには、らしさを感じたけれど。