- 作者: 笹本稜平
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2012/05/18
- メディア: 単行本
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『小説宝石』2011年4月号〜2012年2月号連載。2012年5月刊行。『素行捜査官』『白日夢 素行捜査官2』に続く好評シリーズ第三弾。
近年は警察小説シリーズを書き続けている笹本だが、『小説推理』に書いている「越境捜査」シリーズに比べると、本シリーズは重いテーマを扱っており、展開も暗い。本作品は本郷岳志たちよりも、若い沢井昭敏の行動に重点が置かれている。新しい要素を加味したことは良かったが、よりストーリーを重くしてしまった感もある。重くなってもそれが面白い方向に進めば良いのだが、ページをめくる手を重くしてしまうのは困ったもの。もうちょっとスカッとした展開があっても良かったのにと、毎回思ってしまう。
笹本の弱点である、駆け足気味の結末とご都合主義は、本作でも変わらなかった。こればっかりはどうにかならないものか。