- 作者: ウィルバー・スミス,飯島宏
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1990/08
- メディア: 文庫
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1975年、ロンドンのウィリアム・ハイネマン社から単行本で出版。翌年、パンブックスからペーパーバック版が刊行。1990年週刊文春ベスト第5位、このミス第7位。
ウィルバー・スミスは、アフリカ在住の人気作家。1987年時点で20冊を著し、16ヶ国語で紹介されているからかなりの人気だと思うが、日本では1990年時点で本作を含めて7作しか翻訳されておらず、現在でもあまり評判になっていない。検索してみたら、現時点で14作翻訳されているが、いずれも絶版状態のようだ。例によって例のごとく、買うだけ買って放置したままになっていたのを引っぱり出した。
本作は、宝探しをベースに置いた古典的な冒険小説。一つ危険をクリアすれば、すぐに次の危険が差し迫るという展開は、あまりにも常套手段ではあるものの、特に海における描写が素晴らしいせいか、それほど気にならない。息もつかせぬ展開を、素直に楽しむことができる。まあ、主人公の頑丈さと強運については、この手の冒険小説ではお約束と思いこんだ方がよさそうだが。
娯楽として冒険小説を楽しみたい人にはうってつけの一冊。それ以上でもそれ以下でもない。面白かったけれどね。