- 作者: 綾辻行人
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2002/09
- メディア: 単行本
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彼女に残されたのは、幼い頃に経験したという「凄まじい恐怖」の記憶だけだった。
バッタの飛ぶ音、突然の白い閃光、血飛沫と悲鳴、惨殺された大勢の子供たち……。
死に瀕した母を今もなお苦しめる「最後の記憶」の正体とは何なのか?
本格ホラーの恐怖と本格ミステリの驚き――両者の妙なる融合を果たした、綾辻行人・七年ぶりの長編小説、待望の刊行!(帯より引用)
「KADOKAWAミステリ」に2000年11月号〜2002年5月号(休載数度有り)に掲載された作品に加筆・修正を加えたもの。2002年刊行。
今頃読むか、な一冊。まあ手元にあったから読んだのだが、かなり後悔(笑)。
著者本人は“綾辻初の長編ホラー小説”と書いているが、当の本人が言っているように、あまり怖いものには仕上がっていないので、ホラー小説としては心許ない作品で終わっている。中途半端に本格ミステリっぽい仕掛け(綾辻パターン)を入れているのもマイナス要因。
本格的なホラーを書こうとして、結局うまくいかなくて、とりあえずちょっとした仕掛けを入れてごまかした、そんな感じの作品。色々な要素を中途半端に入れているから、仕上がりも中途半端なまま。久しぶりの長編だったが、作者は小説の書き方を忘れてしまったのだろうかと思わせるような一冊。まあ、今更読まなくても知っていたことだが(苦笑)。
この人に『十角館』の衝撃を再び求めるのは無理なんだろうなあ。