- 作者: 岩井志麻子,甲斐庄楠音
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2002/07/10
- メディア: 文庫
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時は明治。岡山の遊郭で醜い女郎が寝つかれぬ客にぽつり、ぽつりと語り始めた身の上話。残酷で孤独な彼女の人生には、ある秘密が隠されていた……。
岡山地方の方言で「とても、怖い」という意の表題作他三篇。文学界に新境地を切り拓き、日本ホラー小説大賞、山本周五郎賞を受賞した怪奇文学の新古典。(粗筋紹介より引用)
1999年、第6回日本ホラー小説大賞を受賞した「ぼっけえ、きょうてえ」。
隠れているコレラ患者を密告させるべく設置した函がもたらす悲劇。「密告函」。
酌婦から小島の漁師の嫁になったユミの物語。「あまぞわい」。
貧乏な村の、貧乏すぎる兄と妹の物語。「寄って件の如し」。
以前は別名義でジュニア小説を刊行。1999年に発表された本短編集で、第13回山本周五郎賞を受賞。
今頃読むか的な一冊。表題作だけは、「ミステリ・エクスプレス」か何かに載っていたのを読んでいたので、あまり読む気が起きなかったというのが正直なところ。
四短編を読んでみたが、ホラーや怪談を読んだという恐ろしさよりも、貧乏な人たちの悲哀さだけが浮き彫りとなり、それも作り物めいていてリアルさがあまり伝わってこない(ホラーだから当たり前のことかもしれないが)ので、退屈としか思えなかったというのが正直なところ。自分は感受性が低いのか?
実際に当時の村々は貧乏だったのだろが、ことさらに強調されてもどうなのかな、と思ってしまう。ここまで陰の部分ばかりを表に出すやり方がそれほど好きになれないというか。結局は肌が合わないのだろう。
まあ、こういう作品で退屈という感想しか出ないというのは、読む資格がない、と言われてしまえばそれまでなんだろう。別にいいけれど。