平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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芦原すなお『わが身世にふる、じじわかし』(創元推理文庫)

わが身世にふる、じじわかし (創元推理文庫)

わが身世にふる、じじわかし (創元推理文庫)

家の庭で妻の伯母から送られてきたデビラをたたいていると、ニューヨーク帰りの悪友・河田警部が土産のバーボンを片手に現れた。帰国早々に、不思議な事件に遭遇した河田警部は、料理の腕もさることながら、見事な推理の冴えを見せるぼくの妻の知恵を借りようとやってきたのだった。血や残酷な話が苦手な妻をなだめつつ、彼女のヒントをもとに彼と二人で事件を再調査すると……。河田警部のニューヨーク時代や、ぼくの少年時代の思い出もたっぷりの六篇を収録。讃岐名物と郷土料理の数々にいろどられた。《ミミズクとオリーブ》シリーズ第三弾。(粗筋紹介より引用)。

「ト・アペイロン」「NY・アップル」「わが身世にふる、じじわかし」「いないいないばあ」「薄明の王子」「さみだれ」の六編を収録。「ミステリーズ」に掲載されたシリーズ第三弾。



久しぶりの「ミミズクとオリーブ」シリーズ。「ミステリーズ」に掲載されていたとは知らなかった。このシリーズは大好きなので、とても嬉しい。

もっとも、このシリーズにミステリとしての味はほとんど求めていない(苦笑)。料理の数々に腹を鳴らし、ぼくと妻と河田警部の漫才的なやり取りを楽しめればそれでいいのだ。もちろん、謎解き作品としても悪くないのだが、それ以上にこの三人が醸し出す雰囲気が絶妙で、読んでいて心休まるのだ。

ということ(どういうことだ?)で、このシリーズは読めれば満足。問題は、読んでいてお腹がすくことぐらいだ。いつまでも続けてほしい。