平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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大原健士郎『精神鑑定、18人の犯罪病理』(講談社)

精神鑑定、18人の犯罪病理

精神鑑定、18人の犯罪病理

精神科医として、数多くの精神鑑定を行ってきた著者が、現代社会の病理に迫る!! 通常の感覚では理解できない事件の真相を分析!!(帯より引用)

幼児を凌辱、妻の不倫の子供殺害、愛人の子供殺害、母殺害、子供道連れ放火、無理心中、病気の娘殺害、薬物常用者のストーカー、フラッシュバック、逆恨み、アル中、薬物依存など、様々な18の事件の精神鑑定結果を基に、現代の闇を暴く。



作者は浜松医科大学名誉教授で、精神鑑定を永年行ってきた。精神病関連の著書が多数ある。

裁判ではよく心神喪失心神耗弱という言葉が出てくる。酒や薬物、躁鬱病などの病気などによって、犯行当時の精神状態が通常のものではなかったため、刑を軽くすべきだ、という主張が弁護側からなされることが多い。

個人的には心神喪失だろうが心神耗弱だろうが、刑は刑として裁くべきだと思っているのだが、中にはやっぱり例外もあるんだな、と思ってしまう。例えば二番目に報告されている、妻が永年不倫をし、しかも不倫相手の子供を夫の子供だと偽っていたケースなんかは、さすがに同情してしまうよ。ただ、そういう場合は情状酌量で裁くべきであるというのが自分の持論。勿論、いろいろと調べればそう簡単に言えなくなるのかもしれない。どちらにしても、心神喪失だから刑に問わないというのは、被害者遺族にとっては口惜しくてたまらないことだと思う。何か、良い解決策はないものだろうか。