樋野まつり『ヴァンパイア騎士』第4巻（白泉社 花とゆめコミックス）

ヴァンパイア騎士 4 (花とゆめCOMICS)

名門黒主学園には、昼間のデイ・クラス、夜間のナイト・クラスがある。ナイト・クラスの生徒は実は全員吸血鬼であった。理事長の義娘である黒主優姫、同級生の錐生零は黒主学園を守る守護係であった。ナイト・クラスに転入してきた紅まりあをみて、零は激しく動揺する。まりあの正体は、零が思い浮かべた人物本人であった。封印されたはずの過去が、一気に流れ出す。そしてデイ・クラスとナイト・クラスが一緒に参加できる貴重な公式行事、舞踏祭が始まった。
耽美度がどんどん増してきた第4巻。吸血鬼ネタを扱うと、どうしてもこういう方向に流れていくよね。この人の絵がここまでシリアスに向いているとは、初期の頃には思わなかったよ。この手の作品は、作者が勘違いしてどんどん観念的な傾向に流れ、読者を置いてけぼりにしていくことがあるけれど（逆に一部の熱狂的なファンを産むこともある）、この作品はそういうことがないことを望みたい。