平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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菊田幸一『日本の刑務所』(岩波新書)

日本の刑務所 (岩波新書 新赤版 (794))

日本の刑務所 (岩波新書 新赤版 (794))

刑務所にはいるとどんな権利が剥奪され、どんな日常生活を送るのか。面会、通信、刑務作業、累進処遇の制度、懲罰などは、実際どのように行われているか。受刑者からの聞き取りや、獄中から待遇改善を訴えた裁判例に基づいて実状を紹介し、国際的な人権規約や諸外国の例に照らして、日本の受刑者処遇の問題点を検討する。(粗筋紹介より引用)



菊田幸一明治大学教授犯罪学専攻。死刑廃止論者として名高く、死刑廃止論や受刑者処遇に関する数々の著書を出している。

粗筋にあるとおり、本書は日本における刑務所の実態を紹介するとともに、批判的な視点で受刑者処遇の問題点を書き記したものである。読み物というよりも、どちらかといえば資料と言った方がいい一冊。刑務所がどのようなものかと知るには、十分勉強になる。

どんな国にも犯罪者はいる。だから当然どこの国にも刑務所はあるだろうし、処遇も国それぞれだろう。日本なんかはまだ恵まれている方だとは思うが、至る所に不満があるのは事実である。ただ、受刑者処遇に決定版はないだろうし、被害者やその遺族から見たら余りにも恵まれている処遇には不満が生じるとも思われる。ただ、再犯者を出さないような処遇を望みたい。