平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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南英男『友だちが怖い ドキュメント・ノベル『いじめ』』(集英社 コバルト文庫)

生徒会長とデートしたばっかりに旧友に嫉まれ、番長グループにリンチされたあゆみ。転校先の中学校で「東京もん」というだけで孤立し、暴力をうけつづけた伸樹。いじめられっ子だったが、ツッパリグループに入り逆に級友を家出に追いこんだ美寿々……。全国の学校に蔓延しつつある「いじめ」の実態を鋭くえぐったドキュメント・ストーリー!!(粗筋紹介より引用)

1985年5月刊行。



そういえばこの頃、いじめが問題になっていた。自分が中学校だった頃のリアルな言葉だ。ここに紹介されたいじめの実態は、表面にでてきた本の一部であり、実際はもっとあったのだろう。だが学校関係者はその事実を認めなかった。いじめが広がっていることは認識していても「自分の学校ではない」と言い続けていた。これだけ問題となりながらも、いじめはなくなっていない。表に出ないようより陰湿に、そして巧妙になっている。今の教育システムに何らかの欠点があることをわかっていても、そのシステムを打ち壊すことはできない。

問題提起はいつでも、誰でもできる。しかし、解決することは難しい。