今年もよろしくお願いします。どこまで更新できるかわかりませんが。
本当は年末にもう1回ぐらい更新するつもりだったし、正月も更新するつもりでしたが、全然ダメでした。
昨年は57冊しか読んでいない……。月平均5冊未満! 自分でも信じられない。仕事に追いまくられて、本を読む気力が全然起きなかったものなあ。日が変わる前に寝た記憶がほとんどない。これもやっぱりいじめだよね(違う)。働き方改革? 笑っちゃうよ、本当に。今年はもう少し頑張ります。
ジェフリー・アーチャー『ロシア皇帝の密約』(新潮文庫)
1966年、元英陸軍スコット大尉は、無実の罪を着たまま死んだ父から、「皇帝のイコン」と呼ばれる名画を遺された。遺産を受けとりに出かけた彼を待っていたのは――。(粗筋紹介より一部引用)
1986年、発表。同年10月、新潮文庫より翻訳刊行。
アーチャーは1985年9月にイギリス保守党副幹事長に抜擢されて政界復帰していたが、本書はそれ以前に脱稿されていたもの。冷戦中の米ソが狙う名画。その目的は何か。それが粗筋紹介に書かれている、というのは反則だよな。
巻き込まれ型のノンストップ謀略小説。アダム・スコットをなぜそんな都合よく助けるの? といったご都合主義はあるものの、追われ続けるサスペンスはさすがというしかない。ちょっとわかりにくいところはあったが、あまり気にせず読み終えることができた。楽しかった。
時間がないので、超手抜き感想だが、名作だし、今更いいでしょ。
「推理クイズ」の世界を漂う
http://hyouhakudanna.bufsiz.jp/mystery-quiz/index.htm
「このクイズの元ネタを探せ」に推理クイズを1問追加。元ネタ情報追加。「お馬鹿な推理クイズを求めて」に元ネタ情報追加。
情報をいただきました。有難うございます。やっと更新できました。
藤原宰太郎先生が2019年5月に亡くなられました。ご冥福をお祈りいたします。推理クイズ全集、出ないかな……。
エリザベス・フェラーズ『細工は流々』(創元推理文庫)
ある晩、突然トビーを訪ねてきた娘は、理由は聞かずに15ポンド貸してくれないか、といった。翌日、トビーは匿名の男からの電話で、彼女が殺されたことを知る。“時々、殺してやりたくなる”くらい、お人好しで人を疑うことを知らなかった彼女が、どんなトラブルに巻き込まれていたというのか? 警察に嫌がられながらも、現場となった部屋を調べたところ、奇妙な仕掛けが見つかった。どうも、推理小説に出てくるようなトリックをいろいろ試している奴がいるらしい。はたしてその正体は? そして、事件との関係は? 大好評のシリーズ第三弾。(粗筋紹介より引用)
1940年、発表。1999年12月、創元推理文庫より邦訳本刊行。
トビー・ダイクシリーズ第三弾。『猿来たりなば』は読んでいるのだが、『自殺の殺人』は買ってあったはずなのにどこにも見当たらない。ということで、先に見つけたこの本を読むことにした。もっとも、実際には本作品は第二作で、『自殺の殺人』は第三作、『猿来たりなば』は第四作。だからまあ、いいか。<br>
トビーとジョージのねじくれた関係は本作でも健在。被害者も容疑者も癖のある人たちばかり。おまけに色々なところに機械トリックが仕掛けられている。なんとまあ、ひねくれた設定。英国流のユーモアで、本格ミステリを皮肉たっぷりに書いたらこうなる、という典型的な作品かもしれない。きちんと伏線も張られ、明快に犯人が導かれるのに、こうもトビーとジョージの行動と言動に笑えてしまうのはなぜか。これが英国ミステリなんだろうな。
英国流のユーモアが苦手なんだが、本作は楽しく読むことができた。逆に洗練すぎていないほうが笑えるのかな。