- 作者: 井上譲二
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2017/04/17
- メディア: 単行本
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アンブローズ・ビアス『悪魔の辞典』を模して、プロレス版を作ろうとした一冊。裏ネタが多かった『週刊ファイト』の元編集長らしい一冊とはいえるだろうが、当然のことながら、本家と比べるとユーモアや皮肉、文学性には乏しく、単なる暴露話となっていることも仕方のないところ。
「辞典」と謳うほどの用語がそろっているわけでもなく、単なる一レスラーの裏話じゃないかと言われる内容が多いのも少々残念。平成になってプロレスファンになった人にとっては、昭和プロレスってこんなものだったんだ、と教えるには、一応一冊にまとまった本、とはいえるかもしれない。もちろん、プロレスの歴史がわかるわけでもないし、プロレスの醍醐味がわかるわけでもない。宝島らしいつくりだな、とは思ったが。
まあ、読んでいて知らなかった事実(ミル・マスカラスの妻が日本人とは知らなかった)もあったわけだし、まあ楽しめたかな、程度の一冊。