平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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井上譲二『昭和プロレス版 悪魔の辞典』(宝島社)

昭和プロレス版 悪魔の辞典

昭和プロレス版 悪魔の辞典

「猪木1000円」「カーニー」「使用許諾」「ケーフェイ」「生ジュース」「負け役」ほか、黒歴史がわかる必須114語。元『週刊ファイト』編集長が解説! 禁断の“裏プロレス用語辞典”誕生。(帯より引用)

アンブローズ・ビアス悪魔の辞典』を模して、プロレス版を作ろうとした一冊。裏ネタが多かった『週刊ファイト』の元編集長らしい一冊とはいえるだろうが、当然のことながら、本家と比べるとユーモアや皮肉、文学性には乏しく、単なる暴露話となっていることも仕方のないところ。

「辞典」と謳うほどの用語がそろっているわけでもなく、単なる一レスラーの裏話じゃないかと言われる内容が多いのも少々残念。平成になってプロレスファンになった人にとっては、昭和プロレスってこんなものだったんだ、と教えるには、一応一冊にまとまった本、とはいえるかもしれない。もちろん、プロレスの歴史がわかるわけでもないし、プロレスの醍醐味がわかるわけでもない。宝島らしいつくりだな、とは思ったが。

まあ、読んでいて知らなかった事実(ミル・マスカラスの妻が日本人とは知らなかった)もあったわけだし、まあ楽しめたかな、程度の一冊。