- 作者: 東川篤哉
- 出版社/メーカー: 実業之日本社
- 発売日: 2006/05/16
- メディア: 新書
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2006年5月、書き下ろし刊行。
『学ばない探偵たちの学園』に続くシリーズ。前作は一応読んでいたが、あまり感心する出来ではなかった。いくらユーモアミステリとはいえ、高校生がホイホイと殺人事件に絡むというのがどうもダメだったのだが、その印象は本作でも一緒。練習試合見学中にバックグラウンドで見つかった死体。明らかに他殺。さらに二番目、三番目の事件も発生。内容としてはかなり深刻なのに、登場人物たちは警察も含めあっけらかんとしたもの。緊迫感も悲愴感も全くないというのは、さすがに受け容れ難いな。事件のトリックも、もともとの球場の設定が頭に入りきらないから、いざ解かれても大した感動も驚きもない。ベースを盗むという設定は確かに活かせたが、感心したかと聞かれるとこれも微妙。とりあえず、そういう結末なのね、という終わり方でしかなかった。
とりあえず手に取ってみたけれど、この作者、ユーモアにとらわれ過ぎな気がしないでもない。