平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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歌野晶午『密室殺人ゲーム・マニアックス』(講談社ノベルス)

密室殺人ゲーム・マニアックス (講談社ノベルス)

密室殺人ゲーム・マニアックス (講談社ノベルス)

<頭狂人><044APD><ザンギャ君><伴道全教授>。奇妙なハンドルネームを持つ5人がネット上で日夜行う推理バトル。出題者は自ら殺人を犯しそのトリックを解いてみろ、とチャット上で挑発を繰り返す! ゲームに勝つため、凄惨な手段で人を殺しまくる奴らの命運はいつ尽きる!?(粗筋紹介より引用)

「Q1 六人目の探偵士」「Q2 本当に見えない男」「Q3 そして誰もいなかった」「A&Q 予約された出題の記録」を収録。

メフィスト』2010〜2011年、掲載。2011年9月、刊行。



「密室殺人ゲーム」シリーズ第3作目。もっとも作者の言葉であるように、「当初のシリーズ構想の中にはなかった外伝的エピソード」であるため、読了後の印象は大きく変わるだろう。そもそも、5人が殺人推理ゲームを行うはずなのに、6人目の謎解き者嵯峨島が現れている点からして、何かあると言っているようなもの。殺人ならびに会議の映像が表に流れ、それを解くという形はあってもおかしくないようではあるが、それが面白いかと言われるとシリーズそのものを否定しているようで、かなり微妙ではあった。

トリックの方は、今までと比べてもかなり非常識なものがあった。まあ、よほどの知識がないと解くことができないと思う。シリーズ物だからできる、壮大な実験作と言えるかも。ただ、それが面白さにつながらなかったのは残念。

過去作品を読んでいないと面白くない作品。シリーズだから、それでいいのだろうが。